YAPC::Asia 2012に参加してきました

9/28-29でYAPC::Asia 2012に参加してきました。

会場変更

今年の会場は馴染みの東工大を離れ、東大本郷の伊藤国際学術研究センターでした。
オープンしたばかりの建物で、全館無線LAN対応、会議室の椅子がバロン(座りやすい)、見晴らしのよい階段、など全体的にオシャレで高級感のある会場です。
特にホールの音響設備が良かったのでスピーチも聞きやすく、会議をするには良いホールだと思います。
反面、物販禁止なので当日券が販売できない(!)、携帯電波が入りづらい、ホール席の電源の大半がハリボテ、などITイベントには向かない部分も見られましたが、そこは運営の方の努力でカバーして頂き、ストレス無く参加することができました。


今年は聴いた後に手を動かしたくなるトークが多かったのですが、特にモチベーションの上がったトークはこの3つでした。

What Does Your Code Smell Like?

Perlの作者、Larry Wall氏によるPerl 5ファイル => Perl 6へのライブデバッグセッション。
Perl 6を試してみよう、という気になりました。さすがPerlの父。
Perl 6はPerl 5のパッと見解りづらい=Perlっぽい部分が綺麗に書き直されて”普通”の文法になる、という印象でしたが、実際のコードやPerl 5からの変換を生で見ると、これはこれで結局Perl以外の人には嫌われそうなコードになる≒Perlっぽさが消えてないことに良い意味で安心しました。


内容とは別に、Larryの片手でVimを操る技術は何度見てもよくわかりません。マイクを持ってもらっている時ですら片手で操作してるので、Siriのようなものを仕込んで音声操作しているんだと今でも信じています。


Perlと出会い、Perlを作る

個人的今年のベストスピーカー賞。
mixiの新卒入社Masaaki GoshimaさんがperlC++フルスクラッチ再実装している話。
この手の話は、これをやりたい、こうなったらいいな、となりがちですが、5月からの約5ヶ月でベースの部分が動いてベンチを取るところまでできている、その開発スピードが素晴らしいです。
突如作りたくなって自分Lisp作りを始めたあの感覚が戻ってきました。
gperlが半年後にmixiに載るのを楽しみにしています。


Profiling memory usage of Perl applications

Devel::NYTProfの人 Tim Bunceによる、撃たないで!私はテーブルです!という謎のジョークから始まる、メモリプロファイリングがいかに難しいかと現状・開発中のsolutionの話。
Perlのメモリ周りの話を複数混ぜて、可視化のデモまで含めた、もう少し突っ込んで測ってみたい気にさせてくれる楽しい発表でした。
彼のもう一つのトーク Performance Profiling with Devel::NYTProf も大変参考になりました。
最適化はするな、きっと副作用がある => でもどうしてもする必要があるなら・・・というスタンスは大切ですね。


TAKESAKOさん++

TAKESAKOさんの機械学習トークの後の希望者ジャンケンに勝って、サイボウズ・ラボでのパターン認識と機械学習 (PRML)の輪読に使われていた教科書ガイドを頂きました。

ISBNを取得した、れっきとした書籍です。Amazonでも売られています。のみならず、ジュンク堂でなんと総合ランキング1位を獲得した書籍です。
TAKESAKOさん、ありがとうございます!


さっそく教科書を買って読み始めよう、というところなのですが、上下巻合わせて15,000円します。英語の原書ならAmazon.comで6,800円ぐらいなので、数日寝させてからどちらにするか決めます。

まとめ

発表スライド・映像はYAPC::Asiaページにリンクが張られるそうです。
http://yapcasia.org/2012/talk

LT-Thonが全然聞けなかったので、どこかにまとまってませんかね。


年に1回お祭り的にモチベーションを上げることのできるYAPC::Asiaを、今年も2日間満喫できました。
運営のJPA、ボランティアスタッフの皆様、おつかれさまでした。